アメリカとの関税交渉が合意に至り、相互関税の税率は15%に、そしてコメの輸入は拡大へ。熊本への影響を取材しました。

株式市場は即座に反応しました。
大熊本証券 出田信秀社長「想定よりもはるかに良い内容のものが合意されたというのが今朝早くに報道されて、それがポジティブに投資家に伝わって株価が上がった」

関税に対する不透明感が薄れ、日経平均株価は前日より1300円以上値上がりし、4万1171円32銭で取引を終えました。

熊本市の証券会社にも、午前中から問合せが相次ぎました。
大熊本証券 出田信秀社長「ニュースが入ってきて間もないので慌てた買戻しがあったと思う。今後についてはもっと合意内容をよく精査する必要があると思います」
一方、県内でも裾野が広い自動車関連分野での影響が懸念されます。

今回の日米合意では、自動車に対してすでに課している25%も既存の税率も含め15%になります。しかし経済の専門家は、「最悪の状況が避けられただけ」と話します。
地方経済総合研究所 山田博史さん「自動車関税が15%に引き下げられたとはいえ、もともとの2.5%からすると、12.5%引き上げられたことになります。ですので、今後自動車の生産台数・輸出台数・輸出額は今後引き続き注視していく必要があると考えています」
大手メーカーでの販売調整やアメリカでの販売価格競争に巻き込まれてしまう恐れがあるということです。
また、今回の合意でコメの市場が開放されると、アメリカからの輸入米の割合が増えることになります。

菊池市でコメを生産する霍田さんは・・・
コメ生産者 霍田崇さん「そういうやり方になるんだろう 収まるところはそこしかなかったんだろう。輸入の枠を広げている訳ではないので」
日本は、WTO世界貿易機関の定めで、ミニマム・アクセス米として、毎年77万トンのコメを海外から輸入しなければなりません。
石破総理はこの元々ある枠内でアメリカからの輸入米の割合を増やすと説明していて、石破総理は「農業を犠牲にすることは一切含まれていない」としています。
これに対し生産者の霍田さんは
コメ生産者 霍田崇さん「輸入米が増えると生産者からすると心配はあるけど 買う側からすると選ぶ選択肢が増える。決して肯定するものではない」
アメリカ産米、国産米、そして今後流通する新米も含め、今後、店頭での価格がどうなるかのか、生産者の不安は尽きません。