星のようなマークがついたある木札。夏休みになると長崎市の小学生が手にしていたというこの「木札」が、今年から廃止されることになりました。その理由を取材すると、時代の変化が見えてきました。

星マークがついたこの木札をひっくり返すと、そこには小学校名と児童の名前が記されています。

実はこれ、長崎市で毎年恒例の「夏季水泳教室」で使われていた木札で、名前や小学校名などが1枚1枚手書きで書かれたものが、参加する児童に配布されていました。

■なぜ木札が使われていたのか?

この写真は1965年7月の夏休みの水泳教室の様子です。

体操をしている児童の首から、木札がかけられていることがわかります。

今は長崎市民総合プールで行われている水泳教室ですが、かつては長崎市の皇后島(通称ねずみ島)で行われていて、木札が島に渡る船の乗船券代わりにもなっていました。

■今年から木札を廃止しバーコード札へ

今年から、木札のかわりになるのがバーコード札です。

プールに入る前と後でバーコードを読み取り機にかざすことで、児童が参加したことや安全に教室を終えたことを確認することができます。そして、その情報は保護者のスマートフォンなどにも送られ、離れた場所でも子どもの所在確認ができるそうです。

水の事故を防ぎ、水泳を通して健康な体になってもらおうと長崎游泳協会が毎年開いている夏休みの水泳教室。

時代ととともに木札の役割は変化してきましたが、子どもたちが夏休みに健康に育ってほしいという親の願いは、いつの時代も変わりません。