20日に投開票が行われた参議院選挙。福島選挙区では、自民党の現職・森雅子さんが、立憲民主党の新人・石原洋三郎さんに1万8000票あまりの差をつけて接戦を制し、4選を果たしました。参院選の各党の議席は、自民・公明は47となり、過半数を割り込む「歴史的大敗」となる中、東北では、福島のみが自民党の議席を維持しました。
今回の参院選、勝敗を分けたポイントはどこにあったのでしょうか。
まず、上位3人の得票数を見てみると、当選した森さんが32万7951票。次点の石原さんが30万9184票。参政党の大山さんが18万4286票でした。得票率で見ると、森さんと石原さんは2.2ポイント差で、いかに接戦だったかがわかります。

これを市町村別の得票数で見ると、森さんが1位だった市町村は51。対する石原さんが1位だったのは、8つの市町村に留まりました。

では、自民党の森さんへの支持が広がったのかという視点で考えてみます。立憲民主党と参政党は、主張や政策に大きな違いがあり、一概にまとめることはできませんが、今回は「野党に投票した」という意味で「反自民票」としてとらえます。石原さんと大山さんの票を合わせた票が、森さんの票を上回った市町村は、54の市町村となっています。

参政党は当初、保守的な主張から、自民党の票に影響があるとみられていました。実際に、森さんも票を減らしているので影響はあったわけですが、結果的には、野党の票が分散したとも言えます。
自民党と立憲民主党、どちらの県連幹部も「大山さんの影響はかなりあった」と異口同音に話していました。今回の参院選で存在感を示した参政党。その動向は今後も、県内の政治に一定の影響を与えることになりそうです。