検察ナンバー2の東京高検検事長に就任した川原隆司氏が記者会見を行い、「検察が国民の信頼に応えるために力を尽くしたい」と抱負を述べました。

川原隆司 新東京高検検事長
「犯罪がますます複雑化、広域化、国際化しており、真相解明には様々な困難が伴う。検察が国民の信頼に応えるために、微力ながら力を尽くしたい」

今月17日付で東京高検検事長に就任した川原隆司氏は、東京都出身の60歳。慶應義塾大学を卒業後、1989年に任官し、東京地検刑事部長や秋田地検検事正、法務省の刑事局長などを経て、おととし1月からは法務事務次官を務めました。

記者会見で「印象に残っている仕事」を問われた川原氏は、警視庁と連携して強盗殺人などの凶悪事件の捜査に当たった東京地検刑事部本部係での経験を挙げました。

その上で、「検察だけで事件(解決)ができるわけではなく、それぞれの専門性を持って力を結集することで、初めて事件を処理できる。警察などの関係機関との連携をより深めていきたい」と述べました。

また、検察官の捜査のあり方が問題視されていることについては、「検察権の行使に当たっては、『公共の福祉』と『基本的人権』の均衡に配慮した適正な手続きのもとで真実を解明していくべきだ」と強調しました。

川原氏を知る警視庁のある幹部は「常に現場目線で、被害者の無念を晴らしたいという気持ちが誰よりも強い検事だ」としています。