青森県の陸奥湾で耳吊り養殖されていた「ホタテ」が「タイ」に食べられる被害が相次ぎ、野辺地の漁協では被害額は2億6000万円とみています。こうしたなか、平内町にある県の研究所では、タイの食害の実態に関する実証実験が進められています。中澤記者が取材しました。

中澤美寿妃 記者
「タイによる耳吊りホタテの食害が甚大だったことを受けて、こちらの研究所ではホタテが入った水槽にタイを入れた実証実験が行われています」

平内町にある青森県産業技術センター水産総合研究所では、研究所内に屋外水槽を設置し、マダイとホタテの様子を観察しています。

ホタテの近くをゆっくりと泳ぐマダイ。
取材した当日や、入手した映像では確認できませんが、研究所の担当者によりますと、実験を通してマダイがホタテを捕食していることが分かったということです。

また、水槽に大きさごとに分けた5つの種類のホタテのうち、4cm~5cm台の小さなホタテが捕食されやすいことが分かりました。

青森産技 水産総合研究所 小谷健二さん
「マダイがホタテを捕食していること、小さいホタテが食べられやすいことが少し分かってきた。大きさ別に、どのサイズまでのホタテが食べられるのかが明らかになれば、今後同じような食害の状況が起こったとしても、試験データの結果をもとに迅速に漁業者に対して対策を伝えることができると考えている」

7月、野辺地町漁協は町に対し、ホタテ養殖を継続するための稚貝購入費の支援を求める要望書を提出しました。

2026年に出荷されるホタテの9割近くが被害に遭い、予想される被害額は2億6600万円余に上るとしていて、被害は深刻です。