米津龍一気象予報士:

きょうの午後6時までの24時間で降った雨の量を見ていきます。
いつもは大体大雨となる場所というのは、山梨県では峡南や富士五湖が多いんですが、こちらを見ていただくと、雨の量が多くなっているのは西の方なんです。

この赤く囲っているところは7月の半月分以上の雨がたった1日で降っていることを表していまして、韮崎に至っては1ヶ月分以上の雨が既に降っているんです。

なぜこうなったのかには理由があるんです。
まずそもそも雨が降った要因はこの日本の東にある高気圧、さらに日本の西にある低気圧です。

それぞれ高気圧は時計回り、低気圧は反時計回りに風が吹きますので、雨雲のもととなる暖かく湿った空気がダブルで入ってきたことによって雨が降ったんですが、ポイントとなるのは風向きなんです。詳しく説明します。

南から風が入ってきたんですが、山梨の地形的に南から風が入ってくる場合というのは、標高の高い山が少ないんです。何があるかというとちょうど鉄道で言うと身延線です。

つまり例えるならばこの身延線に乗って雨雲が盆地まで入ってきたという形になりますので、

このように縦に伸びる雨雲が入ってきたことになります。

ただ、あすは風向きが変わります。
南西方向からの風向きになりそうなんです。

そうなると高い山にこの風がブロックされますので風下側では雨の量が多くなるんですが、盆地には入りにくい形になるんです。

これがあさってにかけて続くことになりますので、峡南や富士五湖の辺りを中心に大雨の恐れがあるということで、あすのお天気ポイントはこちらになります。

県の南部を中心に大雨に警戒が必要です。

では気象庁から発表されている雨量を見ていきます。あす午後6時までに多いところ峡南で120mm、そして中北と富士五湖で100mmとなっていますがこれで終わりません。その先あす午後6時からあさって午後6時にかけて80mmから100mmの雨が予想されています。

特に雨量が多くなりそうなのが峡南や富士五湖なんですが、もう既に150mm以上の雨が中北や峡南で降ってるところあるんですが、南部ではさらに200mm以上の雨が予想されています。
つまり350mm以上の雨ということは1ヶ月分以上の雨がさらに降ることになりますので、まだまだ油断はできません。

注意点としましては、少しの雨でも土砂災害が起こる恐れありますので、山や崖の近く引き続き近づかないようにしてください。
小さな川は一気に増水する恐れがあります。交通機関にも影響が出る可能性ありますので最新の気象情報、気象庁のサイト「キキクル」と言って災害の危険度をリアルタイムで確認ができます。
そして、1時間に50mm以上の非常に激しい雨が予想されていますので、滝のような雨ですから、道路が冠水する恐れもあります。あすは雨の時間が長くなりますから、ちょっと不安だなと思ったら早めに避難することもご検討ください。

<詳しくは動画をご覧ください>