各党の公約は伝わったか?

このテレビ政見放送の導入は、各党にとって政策を訴える場となり、有権者が候補者の思想や政策を比較しながら判断するきっかけを与えました。一方、選挙の「劇場化」とも呼ばれる時代の幕開けであり、日本の民主主義における重要な転換点といえる出来事でした。

政見放送だけではなく、団地で、街で「頑張ってる姿をテレビに撮らせる」。劇場型テレビ型選挙の幕開けでした。

この年以降、候補者にとって、政見放送以外にも「いかにテレビに映るか」こそが勝敗のカギとなったのです。

「ハッキリした主張」の方がウケる?

この年の選挙結果は非常に示唆に満ちていました。学生運動などの波にも乗った共産党と、公明党は大躍進。テレビニュースで取り上げられ、主張がハッキリした中小政党に注目が集まったのです。

この年の選挙は「主張のハッキリした中小政党に有利」だったと言われました。

一方、自民党は単独過半数こそ維持したものの、議席減。野党第一党の社会党は敗北という結果になりました。テレビという新しいメディアを通じた訴えが、有権者の投票行動を動かしたのです。

さあ、今回はどうなるでしょう?

そうしたテレビというメディアが、もはや「オールドメディア」と呼ばれるようになった現在、特に若い世代にとって、選挙戦の主舞台は新聞テレビよりも、ネットに移りつつあるといえるでしょう。

新たなメディアが出ると、有権者の投票行動も変わります。

そんな中、果たして今回の参院選の結果はどう出るか。投票日は今週末。7月20日の日曜日です。