無償トレードで5年ぶりに広島から巨人に復帰する長野久義(37)が15日、原辰徳監督(64)同席で入団会見を行った。黒のスーツ姿で現れた長野は「久しぶりにジャイアンツに復帰することになりまして、すごく楽しみですし、とにかく今はやる気に満ち溢れています」と意気込みを語った。

原監督は「本日めでたく、ジャイアンツ長野また誕生ということになりました。経緯はお分かりのことと思いますが、夏過ぎ、秋頃にカープから長野(トレード)という話がきました。みんなで相談し考えた結果、是非ジャイアンツの一員として戦ってもらおうと決意しました」と電撃復帰の経緯を明かした。

18年オフの長野の広島移籍時の心境について「(当時)心の中では拍手を送りましたが、ルール上仕方がないという悔しい思いをした」と振り返った原監督。「年月はたったが待ちに待った7番で、ジャイアンツファン、カープファンにも愛され、これからも一花、二花咲かせてくれるだろう」とベテランの再出発に強く期待した。

長野は巨人のユニフォームを再び着るにあたり「慣れ親しんだユニフォームではありますけど、また新しい気持ちでルーキーのように頑張りたいなと思っています」と気持ちを新たにし「2012年のリーグ優勝、日本一が一番の思い出で、あの時の銀座のパレードは若い選手にもぜひ経験してもらいたいなと思いますので、来年必ず日本一に力を合わせてなりたい」と意気込んだ。

長野にかけた言葉があるか聞かれ原監督は「言葉というのはですね、必要なかったですね」。「ジャイアンツと長野というのは大学、そして社会人、かなり相思相愛ではあったけれども“誕生”するまでにやや時間を費やしたという経緯もあります。今回に関しては話が出てきた時点で言葉はいらず、しっかり相思相愛の中で、ジャイアンツに戻ってきてもらったということです」。2度の入団拒否から2009年のドラフト1位で巨人に入団した当時を振り返り、今回も“相思相愛”だったと強調した。

37歳のベテランの役割については「それはもうレギュラーになってもらうことですよ」と語り「ジャイアンツにおいても心技体という中でレギュラーを獲得するには相当なる強いものがないと獲れません。ただ勝負の世界ですからこれは何ていうかな、先輩だとかあるいは少々情けもかけながらということは私は絶対にしないと思います」と奮起を促した。

2022年はプロ入り最少の58試合の出場で打率.211、本塁打3、打点15。広島での4年間を「成績としては思うような成績は残せなかった」と長野。「本当に素晴らしいチームメイトだったり、ファンの皆さんだったり、そういう方々に会えたことが自分の中の勉強になりましたし、財産になってます」と感謝を述べた。

長野は2018年のオフに丸佳浩(当時広島)のFA移籍による人的補償で巨人から広島に移籍。今回、広島との無償トレードで古巣の巨人に復帰となった。背番号は巨人時代に背負っていた「7」に決まった。

◆長野 久義(ちょうの ひさよし)
1984年12月6日生まれ、佐賀県出身。身長180cm、体重85kg。
2009年ドラフト1位で巨人に入団、2010年に新人王、2011年に首位打者、2012年には最多安打を獲得。2019年に丸佳浩のFA移籍による人的補償で広島に移籍。
通算成績は1505試合に出場して1445安打、打率.281、157本塁打、590打点、97盗塁。