児童への不適切指導や同僚の女性教諭にパワハラを行っていた40代の男性教諭に対し、札幌市教育委員会が停職6か月の懲戒処分したことを受けて11日、女性教諭らの代理人の弁護士がコメントを発表しました。

 男性教諭は、2016年度から8年間にわたって2つの小学校の特別支援学級で、少なくとも3人の児童に対し、額を指で弾く、授業中に児童のイスを蹴るなど14件の体罰や不適切な指導をしていました。

札幌市教育委員会の会見(11日)

 また、2019年に男性教諭の指導について市教委に訴えた同僚の女性教諭に対してパワハラを行っていたことも認定されました。

 この女性教諭は2023年になって、自殺しています。

 以下、被害児童保護者と女性教諭の代理人弁護士のコメント

札幌市教育委員会の会見(11日)

1)本件調査結果について

 今般、上記2校における上記男性教諭の体罰・不適切指導が複数認定されたこと、女性教諭へのパワーハラスメント行為が認定されたことについては、いずれも当方の主張が概ね認められたものと考えております。

 本件で認定された事実には、椅子を蹴る、大声で叱責するなどの粗暴で威圧的な言動が含まれておりますが、それ自体、一般社会においては犯罪やハラスメントに該当しかねないもので、不適切な言動と言わざるを得ません。

 さらに本件では、B校における被害児童はいずれも低学年児童であり今般認定されたような不適切指導を行う正当事由はおよそ見いだせないこと、男性教諭は特別支援コーディネーターを務めるなど、各児童の特性にあった適正な特別支援教育を推進する立場にもあったことに鑑みれば、指導の範疇を明らかに超えた言動であると評価せざるを得ません。

 本件では、当職が関与した後速やかに警察へ被害相談も行いましたが、一部の言動については、暴行罪の公訴時効が3年ということもあって被害届の提出を断念せざるを得ませんでした。

 もっとも今回の認定事実1件(児童の手を引っ張る行為)については、男性教諭が暴行罪で略式起訴され、すでに罰金処分が確定されています。

 検察官において起訴処分を下したことは、本件事案について違法性が強いと評価された結果であると考えております。