自慢の「アイスキャンディー」で青森県弘前市の夏に涼を与えてきた「小山内冷菓店」。創業してから70年以上経ちますが、この夏の営業で閉店することになり、11日も多くの常連客が訪れ、別れを惜しんでいました。
弘前市で岩木橋のたもとに店を構える「小山内冷菓店」。昔懐かしい「アイスキャンディー」など約20種類を取り揃えています。
夏には大勢の客が涼を求めて訪れていますが、3代目店主の小山内潔さんは、この夏の営業をもって閉店することを決めました。
小山内冷菓店 3代目店主 小山内 潔さん
「私の体がもうついていけなくなった。アイスは溶けるものだから、ばたばたとみんなで急いで仕事しないといけない。私がみんなに迷惑をかけることになる。それが一番かな」
創業して70年以上、地域の人には欠かせない味となっています。
なかには、自分で箱を持ち込んで購入する人もいて、こちらの男性はなんと3箱分・170個のアイスを一度に買い込みました。
突然の閉店の知らせに、常連客からは惜しむ声が上がります。
常連客は
「なくなってほしくない。誰か後を継いでくれる人がいれば、継続してほしい」
4世代にわたる常連客は
「悲しい。親子でずっと食べていたから。近所なんですけれどもね。買い置きしているんですよ」
小山内冷菓店は2010年、俳優の三浦春馬さんがテレビCMの撮影で訪れ、看板商品の「バナナアイス」を作り、その存在が全国に知られるようになりました。
その後、機械の故障で製造中止の危機にさらされましたが、ファンのあと押しを受けて製造を再開し、営業を続けてきました。
小山内冷菓店 3代目店主 小山内 潔さん
「『がんばって』という言葉をもらうんですよ。それで今までこれた」
閉店の時期について、小山内冷菓店は今のところ9月半ばごろとしていますが、アイスの在庫がなくなり次第のため、早まる可能性もあるということです。