アメリカのトランプ大統領が表明した、「日本の輸入品への25%の関税措置」についてです。岡山県内の酒造会社からは、「原料の米の価格高騰と合わせた追い打ちだ」との不安の声も聞かれました。
(室町酒造 花房満社長)
「これ【画像①】が海外向けに詰めた純米酒なんですけども。現地ではすごく高い値段の純米酒になるでしょうね」

江戸時代から330年以上続く、赤磐市の室町酒造です。2006年からアメリカを中心に日本酒を輸出していて、売り上げは全体の約2割を占めるといいます。

そんな中、今月発表されたアメリカのトランプ政権による25%の関税措置。去年12月、「日本の伝統的酒造り」が世界無形文化遺産に登録され、期待された海外での消費拡大に影を落とそうとしています。
(室町酒造 花房満社長)
「原料米の高騰だとか、いろんな物が入ってきますので、トランプさんの25%というのは非常に厳しいですね」

ジェトロ岡山によりますと、アメリカに日本酒を輸出する場合、従来は1リットルあたり3セントの関税がかかっていました。今はここに相互関税として一律10%が課されていて、来月からはさらに15%が上乗せされる見通しです。日本酒の輸出先としてアメリカは、量・額ともに多くの割合を占めているため、取り引きへの影響も心配だと表情を曇らせます。
(室町酒造 花房満社長)
「おそらく日本食レストランとか、地域のマーケットで買っている人とか、普段から日本酒に親しんでいる人たちもさすがに手が出ないんじゃないかな」
さらに、酒造会社は原料であるコメの価格高騰にも直面しています。
(室町酒造 花房満社長)
「この【画像③】契約栽培先が60ヘクタールが3分の1減って40ヘクタールに。なんと20ヘクタールも減ったんです」

契約している農家で酒米の生産量が減り、室町酒造でも米の仕入れ価格が1.5倍に上がっています。アメリカでの日本酒の販売価格は従来より1.6倍ほど上昇するのではないかと見込んでいて、アジアやヨーロッパなど他の地域への販路拡大も視野に入れていかなければならないと話します。
(室町酒造 花房満社長)
「ここから先、5年10年を見たときに不安材料ばっかりですね。政府として何らかの施策をとって支援をしていただきたいというのが本音です」
【スタジオ】
ー日本酒の国内での消費は落ち込んできているので、国内での消費を伸ばすことも必要だと話していました。