「アオギリの語り部」と呼ばれた沼田鈴子さんの遺品展が9日、広島市で始まりました。

広島市で始まった展示会には、国内外で被爆証言を続けた沼田鈴子さん(2011年に87歳で死去)の手帳や直筆の原稿などが並びます。

沼田さんは爆心地から1・4キロで被爆し、左足を失いました。1983年から被爆証言を始め、亡くなる直前まで、反戦や反核、反差別を訴えてきました。

沼田さんの遺品は、生前、活動を支えた仲間たちが、2017年ごろから整理を続けてきました。

核兵器の使用が現実的な危機として存在している今、改めて沼田さんの思いを知ってもらおうと去年に続き今年も遺品展を開きました。

今回のテーマは「海外の人とのつながり」です。およそ20の国と地域で被爆証言したことなどを直筆の原稿用紙に写真、年表も交えて、伝えています。

被爆アオギリのねがいを広める 清水正人事務局長
「被爆者がどのような思いで海外の人へ声をかけて、反核運動を広げていったか感じてもらえる展示にしたつもりなんですけど」

沼田鈴子展「沼田鈴子と海外の人たち」は広島市中区袋町の「合人社ウェンディひと・まちプラザ」で7月15日(火)まで。午前9時半~午後5時半(最終日は午後3時まで)。入場無料。