選挙の疑問を解決する「選挙のハテナなるほどゼミ」のコーナーです。今回のハテナは期日前投票です。期日前投票所は、市町村の役所や役場などに設置されることが多いのですが、実は投票箱はどんどん私たちに近づいてきてるそうなんです。
公示や告示の翌日から投票日の前日まで行われる「期日前投票」。投票日に仕事や旅行で投票に行けない有権者を対象に各自治体が設置した「期日前投票所」で受け付けています。

期日前投票所の多くは市町村役場などに設けられますが、こんな自治体も。

投票した人「せっかくここまで(投票所が)移動してくれるっていうから、早く来て一番乗りした」
去年10月に行われた衆院選で福島県田村市では、投票箱を載せたワゴン車が山あいの地区を巡回しました。

山間部の移動手段のない有権者の投票の機会を確保するため、投票箱を載せたバスなどを走らせ「移動期日前投票所」を設ける例も増えています。
拓殖大学 河村和徳教授
「期日前投票の時にうちの近くまで投票箱を持ってきてくれるっていうのはもともと島根県で始まったんですけども。平成の大合併があった時にどうしても合併をしたから小学校とか投票所になっていたところを閉鎖する。そこでですね、かつての投票所をバスで回るっていうところがスタートなんですね」

なかには、高齢者や障害者など自力で投票所に行くことが難しい人のために、自宅前に投票所が来てくれる自治体もあり、「軒先投票」とも呼ばれているということです。
移動投票所が活躍するのは山間部だけではありません。能登半島地震後の石川県七尾市の仮設団地。

去年10月の衆院選と市長選で、仮設住宅で暮らす市民の投票の利便性を図ろうとバスで仮設団地を巡回し投票所を設けました。
拓殖大学 河村和徳教授
「被災地、仮設住宅の方々って実は住民票がバラバラで投票日当日に投票所まで行ってくださいっていうと10km先、20km先まで行かなきゃいけないっていうことが起こる。(期日前投票所を)仮設住宅の一角に置いて、そこで投票できたら便利だよね。被災者のために移動式期日前投票を行う自治体もあることは知っておいた方がいい」

県内では今回の参院選で初めて南砺市がバスによる移動期日前投票所を導入します。投票日1週間前の13日に山間部の平・上平・利賀の3地区を投票箱を載せたバスが巡回します。そのほか、県内では、魚津市が前回の衆院選から市内の高校など5校に投票所が出向く形で期日前投票を行っています。
全国各自治体がそれぞれの実情に合わせて有権者の投票の機会を確保し、投票率を向上させようと試行錯誤しています。
前回の参院選で県内で期日前投票を行った人は投票総数の35%にものぼっています。今回の投票日は3連休の中日で、予定が入っている人も多いとみられることから、県選管では期日前投票の積極的な利用を呼び掛けています。