岡山県倉敷市の大原美術館に所蔵されている西洋絵画の傑作、エル・グレコの「受胎告知」。66年ぶりに修復作業が行われることになりました。

16世紀にスペインで活躍した画家、エル・グレコ。

その代表作で、大原美術館の「顔」として長年人気を博してきたのが、「受胎告知」です。聖母マリアがイエス・キリストを身ごもったことを知らされる、新約聖書のワンシーンが描かれています。この「受胎告知」の修復は、66年ぶりです。

(大原芸術財団 研究部 孝岡睦子部長)
「エルグレコ本来の色彩やタッチ、筆遣いをみなさんに楽しんでいただけるように」

今回は、スペインから修復家を招集。制作当時の状態に近づけるため、蓄積した表面の汚れや、これまでの修復によって加筆された色彩を取り除く作業などを予定しているということです。

(大原美術館 三浦篤館長)
「60年前と比べると、はるかに精度の高い修復が行われると思いますので、よみがえったエル・グレコを再び見ていただきたい」

修復は今月14日から来月(8月)中旬にかけて行われ、修復後の作品は、9月以降にお披露目されるということです。