現代において、街にある「銭湯」は、毎週2軒ほどのペースで廃業しているといいます。

そんな古き良き銭湯を引き継ぎ、人気の場所へと変えているのが、銭湯活動家の湊三次郎さん。番組では、全国から人が集まるという、湊さんの手掛ける銭湯に注目しました。

昔ながらの銭湯を、大人気にした仕掛け

湊さんは現在、全国で7軒の人気銭湯を手掛けており(※2022年11月放送時)、それらにおいてはきめ細かで様々な仕掛けが散りばめられています。

仕掛け(1) まずは一歩入ってもらえるように
新規客を取り込む工夫として、入り口には解放感が出るように改装しています。

たとえば、扉のガラスを透明にし、暖簾も入り口から少しズラすことで、銭湯の中が見えるようにしています。これは、銭湯を利用する習慣のないお客さんに入って来てもらいやすくする試みだそう。

さらに入り口では、地元の野菜も販売。



「いかに一歩踏み入れてもらうか」を考えたつくりになっています。

仕掛け(2) お客さんがくつろげる空間に

湊さんの手掛ける銭湯の一つでは、湯上がりのお客さんに向けて、隣接する築100年の古民家を休憩所として開放しています。

このようなスペースのある銭湯は珍しいこともあり、時間を忘れてリラックスできると、お客さんからも好評です。

また、番台の柱の一番目立つ場所には、スタッフの名札を大きく配置。苗字ではなく、あえて名前で貼り出すことで、お客さんとの交流のキッカケを演出しています。

肝心のお風呂においては、昔ながらの設備を使い、薪窯で天然地下水などを温めて湯舟を作っています。


銭湯にかける情熱と、湊さんの思い

「一日120人が利用すれば儲けが出る」と言われる街の銭湯ですが、湊さんが手掛けた場所の中には、いまや一日平均340人ほどが訪れるようになった銭湯もあります。

元々はイチ銭湯ファンだったという湊さんですが、その銭湯にかける情熱は現在、国内外問わず誰もに認められているものです。

話によれば、銭湯普及のためならば、どこへでも顔を出すようにしているそうです。

古い銭湯の引き継ぎにこだわる理由については、「歴史と人々の営みが続いてきてるというところに魅力を感じるし、それを次の世代に繋いでいきたい。その場所がお風呂というところも日本の文化だし、よくよく考えると面白い商売なので、そういうのも込々で残していきたい」と語ります。

その信念に賛同して集まってくれたスタッフたちと共に、今日も街の銭湯を残すための活動をしている湊さん。

最近では「銭湯ブーム」で、最新設備を取り入れたスタイリッシュな“ネオ銭湯”が注目されているそうですが、いま一度 昔ながらの“古き良き銭湯”にも足を運んでみたいですね。

バース・デイ
土曜ごご5:00~