福岡県内に住む80代の女性も、同じようなネットバンキングの詐欺被害にあいました。
「100万100万200万100万…500万円ですか」(RKB浅上旺太郎)
「はい4回もあっという間に」(被害女性)


電話で暗証番号などを伝えてしまったことで、ネットバンキングの口座を知らないうちに開設されました。被害額は500万円、経営する店の事業資金でした。
女性をだました犯人は、どんな人物なのか、調査班が接触を試みますが…。

「おかけになった電話番号は現在使われておりません」(電話の音声)
「少しの金額やったら腹立たしいと思うけど、あまりに大きいからなんだろうという感じですかね」(被害女性)


福岡県警によりますと、ネットバンキングに関する不審な電話は、先月になって110件確認され、被害額は、2300万円を超えています。

「数あるネットバンキングのシステムを犯人側が研究しているのではないか。より脆弱性が高いところを狙ったとも考えられますし、犯人にとって都合の良い物を犯行ツールとして利用されたと思います」(福岡県警犯罪抑止対策室・井上寛之室長)

金融機関のセキュリティに不備はないのか。取材を進めると、ある銀行のネットバンキングに被害が集中していたことが分かりました。
その銀行のネットバンキングは、本来、口座の持ち主にだけ発行するはずの認証パスワードを本人以外にも届くよう設定することが可能だったとみられています。





手口が巧妙化・複雑化する新たな詐欺被害。今回のケースは、ネットバンキングになじみがない高齢者が、狙われた顕著な例です。



電話でお金の話はしない、暗証番号など重要な個人情報を電話で聞かれた場合は、詐欺だと思ってください。「自分は大丈夫」と思い込まないことが被害を防ぐ最大の手立てです。