多くの人が、一度は食べたことはあるのではないでしょうか? 映画にも登場したことがある「サクマ式ドロップス」が、製造元の廃業で114年の歴史に幕を閉じることになりました。

エリアの駄菓子店でも「あの味をもう一度」と、多くの人が買い求めています。


(佐藤訓通記者 リポート)
「ごらんください。たくさんの駄菓子がならぶこちらの菓子問屋。いま飛ぶように売れているのが、こちらの『サクマ式ドロップス』。なんと完売しています」


赤色の缶に詰まっているのは、宝石のような色とりどりの飴。1908年(明治41年)に誕生した商品で、映画「火垂るの墓」にも登場するなど、長年にわたり親しまれてきました。

しかし11月9日、製造元の佐久間製菓が原材料の高騰などを理由に、来年1月での廃業を発表しました。


岡山県瀬戸内市で駄菓子を扱う「大町」です。製造元の廃業が報道された翌日のきのう(10日)1日で、店頭に残っていた80個が完売したといいます。


(客)
「さみしいですね」

「懐かしいです。子供の頃に買ってもらえてすごく嬉しくて、いろいろいったんだけどなくて、どうしても最後に食べておきたい」


きょう(11日)大町では、新たに佐久間製菓の商品・およそ2000個を入荷しました。


(大町 深井宏和さん)
「入荷が最後になるかも知れないですね」


「長い歴史のある商品なので、お客さんだけでなく、売り場にも働いている人もファンがいたりするので、みんな悲しんでいますね」

ご存じでしたか?「ハッカのみ」に「非常用」のサクマ式ドロップも店頭に


入荷した商品が店頭に並びます。すると、待ちわびていた客が続々と手に取っていきました。


(買った人)
「ちょっと懐かしいかなと思って、缶を残しておきます」


甘い思い出を味わえるのもあとわずか…。時代の流れに抗えず、惜しまれながらも姿を消してゆきます。