国が生活保護の支給額を引き下げたことは違法だとした最高裁判所の判決を受け、原告らが厚生労働省を訪れ、引き下げられた分の追加支給に加え、早急な謝罪を求めました。

最高裁は今月27日、厚労省が2013年からの3年間で、デフレによる物価下落などを踏まえて生活保護の支給額を最大10%引き下げたことについて、違法だとする判決を言い渡しました。

この判決を受け、裁判の原告ら20人以上が30日、厚労省を訪れ、引き下げられた生活保護の追加支給に加え、早急な謝罪を求めました。

原告
「謝罪から始まらなければ何も始まらないと思っています」

厚労省の担当者は「判決内容を精査して対応していきたい」などと述べるに留まりました。

原告団によりますと、生活保護費の引き下げから10年以上が経ち、一時1000人を超えた原告のうち2割を超える232人がすでに死亡しているということです。

原告団の弁護士は「判決を真摯に受け止めて謝罪すべき」、「社会保障全体の歴史に残る判決だと思うが、厚労省にはその自覚が全くない」などと話していました。