皆既月食が見られた11月8日の夜。山梨県市川三郷町では地場産業の和紙を使ったランタンを打ち上げるイベントが行われました。

ゼロから企画をした大学生たちの軌跡を追いました。


皆既月食が観測された8日。

会場アナウンス:「手を放してください」


夜空に舞い上がる淡い光の数々。


市川三郷町で開かれた空飛ぶランタン祭りです。


企画した学生:なんか感動するね。


手掛けたのは県内の大学生6人。半年の奮闘の軌跡を追いました。

■8月4日

7月からランタンの試作を始め、この日は2回目の実験。


学生:割らすなよ?
学生:割りそうで怖い


イベントの実行委員長で県立大学2年生 氏原陽菜さんです。


空飛ぶランタン祭り 氏原陽菜 実行委員長(山梨県立大学2年):
何か希望を感じられるようなイベントができたらいいなと思っていてランタンイベントを企画しました。


ランタンは町の魅力を発信しようと地場産業の和紙を使用。地元業者の協力を得てゼロから設計するところから始まりました。


金長特殊製紙 一瀬浩基さん:
形を作るっていうことはやったことがなかったので、その辺が苦労したところです。


手探りでのイベント準備は苦労の連続でした。

■8月7日

学生:ランタン祭りがあります。お願いします。


チラシを配り、SNSで情報発信をしますが・・・。

学生:フォロワーでいうと2人しか増えていない。
学生:やば。
学生:半分増やすのも大変。

■9月21日

試作がうまくいかないことも。


氏原陽菜 実行委員長:
ヘリウムガスを入れる工程が難しくて。


企画をサポート 山梨大学 澤伸恭特任教授:
朝から準備すると(ガスが)抜けるんですね。熟練をして手早くできるようにならないとダメ。


■11月8日

そして、迎えた本番の日。会場にはおよそ400人が集まりました。


参加者は受け取ったランタンに願い事を書いた紙を貼り付け、皆既月食の時を待ちます。


そして・・・。

会場アナウンス:手を放してください。


およそ250個のランタンが舞い上がり夜空に幻想的な光景が広がりました。


参加した子ども:
ランタン上げるところと花火。きれいだった。


氏原さんの友人:
すごいよ。なんで泣いてるの?


氏原陽菜 実行委員長:
色んな方の支えもあって ここまで出来たので、なんか こみあげてくるものありました。


ゼロから始めた学生企画のイベントは大盛況でした。


空飛ぶランタン祭り 氏原陽菜 実行委員長(山梨県立大学2年):
私の夢は自分の歩んだ道によって誰かの背中を押せるような人になることです。
この活動を通して参加した方々が未来への希望だったり そういったものを感じ取っていただければ私がこの活動をやった意味があるのかなと思います。