フジテレビの親会社の株主総会が終わり、会社側が提案した取締役候補は11人全員が選ばれました。対立していたファンドは、さっそくフジ側にメッセージを出しています。

雨が降りしきる中、有明アリーナで行われたフジテレビの親会社の株主総会。会場には、フジと関係が深い堀江貴文氏の姿も。

株主(30代)
「株主総会に参加したことがなくて、初めてというのもあって(来た)。大ニュースになっていて、株主の大切さがきょう分かる日だと思う」
株主(50代)
「これから先、どういうふうにフジテレビを運営していくつもりでいるのかを実際に目で見て。大好きなフジテレビのドラマとか、どうなっちゃうか心配になったので」

中居正広氏と元女性アナウンサーをめぐる一連の問題で、経営陣の大幅刷新を余儀なくされたフジ・メディア・ホールディングス。株主総会は退任する金光社長による謝罪で始まりました。

フジ・メディアHD 金光修 社長
「フジテレビジョンにおける一連の事案により、皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」

株主からは厳しい声も。

会場内での株主発言
「今回の事案というのは、フジテレビの根底にある『上納』というような、極めて深刻な人権侵害を長年にわたりやってきた3、40年の社歴の方が、どっぷり染まっていると言わざるを得ないんじゃないか」

また、社員のオンラインカジノ問題についても謝罪しました。

総会では堀江氏も質問し、会場からは大きな拍手がわいたといいます。

堀江貴文氏
「僕の話も何か株主の人がしてくれて、堀江さんと連携するつもりはあるのか、協業することはあるのかみたいな。『それは否定しません』と清水さん言っていました」

そして、最も注目されたのが…

株主(40代)
「旧体制なのか、外資のダルトンか、どっちが今後、フジホールディングスの覇権、主導権を握っていくのかが、一番ポイントかなと思っています」

大株主であるファンドが独自に提案した取締役候補が選ばれるかでした。

フジ・メディア・ホールディングスは、社長候補の清水賢治専務を除いて、これまでの経営陣は全員退任し、新たにファミリーマート元社長の澤田貴司氏ら11人を取締役候補に提案。

一方、大株主のファンド「ダルトン」は、独自にSBIホールディングスの北尾吉孝会長ら12人をフジの取締役候補に擁立していました。

そして、4時間以上続いた株主総会は先ほど終了。会社側の取締役候補は全員選ばれましたが、大株主のファンドが提案した12人は一人も選ばれず…。

この結果を受け、大株主が先ほど取材に応じました。

ダルトン・インベストメンツ ローゼンワルドCIO
「(我々の)株主提案は、これまで一つも採択されたことがない。しかし、毎年“勝利”に近づいている」

そして、フジテレビ側には…

ダルトン・インベストメンツ ローゼンワルドCIO
「委任状争奪戦ではフジと戦い、あなたが勝った。新しい戦いを始めるのではなく、ともに頑張りましょう」

株主総会は終了しましたが、信頼回復への道は不透明なままです。