体が不自由な人の生活をサポートする介助犬。岡山県の第1号「ダイキチ」が高齢のため、今月限りで引退することになりました。8年間、生活をともにした男性の今の思いは。
8年前 穏やかなダイキチが我が家にやってきた
(藤原智貴さん)
「ダイキチ」

「カギカギ」

(玄関のカギを空ける…)

「そう、グッド」

(藤原智貴さん)
「テイク、携帯」

家の中で必要なものを取る。指示に従って様々な仕事をこなします。岡山市中区で暮らす介助犬のダイキチ。介助犬とは、体が不自由な人の生活をサポートする犬で、盲導犬などと同じ補助犬の一種です。

ダイキチは岡山県の第一号です。

(藤原智貴さん)
「かわいいですよ。(ダイキチは)常に明るくて機嫌の良い悪いがない。安定している存在が今までいなかったので」

飼い主は世界ランク2位のパラサーファー・藤原智貴さんです。

藤原さんは34歳の時に練習中に波にのまれて頸椎を損傷。胸から下が不自由になりました。病院でのリハビリ中に介助犬の存在を知り、2017年、育成を手がける日本介助犬協会からダイキチを貸与されました。

穏やかな性格のダイキチに藤原さんの家族も惹かれたといいます。
(娘)
「お父さんダイキチは?」「めちゃかわいい」
(父)
「ダイキチって呼んであげて」

(娘)
「ダイキチ~」

(ダイキチ)
「…」
(娘)
「反応しませんよ」

以来8年間、ダイキチと生活をともにしてきました。介助犬は公共施設や飲食店などへの同伴が認められているため、様々な場所へ一緒に出かけました。

一方で、国内では入店を拒否する店も多いことを知り、講演会を開くなど啓発活動にも力を入れてきたといいます。

こうした中、藤原さんはパラサーフィンで結果を残します。世界大会で3位。生活を支えてくれたダイキチのおかげだといいます。
(藤原智貴さん)
「海に行ったら、私より、きょうダイキチいるって言われる。みなさんダイキチを探しにくる。ダイキチに会いたいっていう」

「毎日が、(ダイキチが)いてくれることによって楽しい。より楽しくなった」