金沢市内で赤信号を無視し車で自転車の男性をはねて死亡させたとして、危険運転致死の罪により1審で懲役6年の実刑判決を受けた運転手の女と助手席の男の控訴審。当時の走行状態を明らかにするため、ブレーキを踏んだタイミングなどの証人尋問が行われました。
2022年6月、金沢市増泉の交差点を自転車に乗って横断していた男性(当時67歳)が車にはねられ死亡しました。
1審の金沢地裁は、車を運転していた女(49)と当時上司の助手席の男(33)に、危険運転致死罪で共に懲役6年の判決を言い渡しました。金沢地裁は1審で男が信号無視を指示したと認定しました。
被告2人の弁護側はともに、1審の判決は事実誤認であるとして控訴し、改めて無罪を主張しています。
名古屋高裁金沢支部で24日に行われた裁判では、助手席に乗っていた男の弁護側による交通事故鑑定の専門家への証人尋問が行われました。
この中で、現場周辺の防犯カメラの映像を解析した結果、事故の約1.7秒前に運転手の女が初めてブレーキを踏んだと証言。助手席の男の弁護側は、1審での女の「赤信号を認識し交差点の手前で減速を始めた」とする証言は信用できないとし、被告2人の主張が対立する形となりました。
一方で、検察側の証人として出廷した警察庁指定の元広域技能指導官は、映像の解析方法は正しいものではなく、算出された結果には誤りがあると反論しました。
次回の裁判では、今回の双方の証言に基づく尋問が行われます。