JR松山駅の車両基地跡地について、愛媛県松山市が基本構想を見直してアリーナを整備する方針を打ち出したことについて、24日の市議会で方針転換の理由を説明するよう求める声が上がりました。

JR松山駅の車両基地跡地をめぐっては、松山市が2015年に作成した基本構想では、老朽化した松山市民会館の代替機能を持つホールの整備が盛り込まれていました。

しかし、市は、去年、経済団体からの提言を踏まえ、スポーツの試合を開催できる多目的アリーナを整備する方針に転換し、市民会館の代替施設は切り離して検討することになりました。

これについて24日の松山市議会一般質問では、梶原時義議員が「当初、文化活動の発展を目指すための施設を整備するはずだった」と述べ、方針転換の理由をただしました。

梶原時義 議員
「アリーナ整備への180度転換は策定から10年も育んできた基本構想を根底から覆すもの。突然アリーナ整備に転換した合理的理由を示してください」

これに対し、市側は、アリーナについて、基本構想の中で掲げていた文化創造や賑わい交流、防災など5つの主要機能を備えていて基本構想を覆すものではないと説明しました。

松山市 坪内洋 交通拠点整備担当部長
「基本構想で示した主要な機能を持ち多目的に使えるアリーナの整備を目指すことにした。アリーナはコンサートなどの興行にも利用できサブアリーナや共用部、諸室などで様々な文化や学びに触れる機会を提供できるなど、現在の市民会館の一部の役割を確保できるものと考えている」

また、市民会館が耐用年数を過ぎた後、その機能をどう確保するのか問われたのに対し、市側は、今後立ち上げる検討会で既存施設の活用や新たな整備、アリーナとの整合性などを協議する方針を示しました。