イギリス議会下院で、終末期の患者が「安楽死」を選べる権利を認める法案が賛成多数で可決されました。今後は上院での審議に移ります。

イギリス議会下院は20日、賛成314、反対291で「終末期成人法案」を可決しました。

この法案は、イングランドとウェールズの18歳以上の成人で余命半年未満とされた終末期の患者が、医師2人のほか、精神科医、福祉や法律の専門家の承認を得たうえで「安楽死」を選ぶことを認めるものです。

議事堂の周辺では、法案の賛成派と反対派がそれぞれデモを行いました。

賛成派
「人生の終わりに苦しむ人がいなくなるということです。尊厳ある死を迎えるために海外へ行く必要もなくなります」

反対派
「私たちが直面している自殺の蔓延を深刻化させる一例になる。多くの若者の間でメンタルヘルスの問題が増えているのを見てきた。これは彼らに間違ったメッセージを送っている」

法案は今後、上院での審議を経て、成立する見通しです。