18日の富山県議会一般質問での新田知事の発言が波紋を呼んでいます。液状化被害を受けた被災地に関する質問に「ご理解頂けないとしたら今後、お付き合いの仕方を考えたい」と述べ、議員らは議事録からの削除を求める声もあがっています。

18日の富山県議会一般質問。

高岡市伏木地区出身で自民党の針山健史議員が、液状化被害を受けた地域の再液状化防止対策について質問しました。
自民党 針山健史議員
「液状化対策の工法、維持管理費の住民負担について今現在でどのような協議がなされているのか。今後の協議の進め方などを含めて新田知事にお尋ねをいたします」

富山県 新田八朗知事
「軽々に『住民負担はありません』というようなことを、現時点で言うことはなかなか難しいのではないかと思っています。なので長期間の負担になるこれらの経費に対して、まずは国の財政支援について要望事項に盛り込んでおります」


県内5つの市が検討する液状化の対策工法をめぐっては、高岡市や氷見市などで地下水をくみ上げ水位を下げる「地下水位低下工法」で検討されていますが、整備後の維持管理費は、長期にわたる「住民負担」も想定されています。


18日は伏木地区の住民約50人が議会を傍聴していました。
自民党 針山健史議員
「この瞬間もですね。被災に苦しんでいる地域の方々がおられるわけでございます。改めて質問をさせていただきますけども、液状化対策の工法や維持費用等の住民負担について、被災市との協議の進捗はいかがでありますか。知事にお伺いいたします」
富山県 新田八朗知事
「将来世代に対しても負担を強いることなので、今の時点で軽々にご負担について結論的な事を言及することは難しいのではないかと」
この答弁に対し再々質問に立った針山議員は…

自民党 針山健史議員
「これ、今言わないでいつ言うんですか。ここで言わないでどこで言うんですか」

新田知事は「住民負担は極力少なくしたい」と述べたうえで――
富山県 新田八朗知事
「財源のことをしっかりと担保しておかないと、責任ある立場の発言とは言えないと思います。各省庁に対しての取り組みをすでに始めているところです。これでご理解いただけないとしたら、今後、お付き合いの仕方を考えたいなと思いますが、いかがでしょうか。以上です」

本会議終了後の議会運営委員会で議員からは「ご理解いただけないとしたなら、今後、お付き合いの仕方を考えたい」という答弁は、議事録から削除すべきではないかとの声が挙がったほか、委員長が知事への注意を求めたということです。
針山議員は「被災した市民の声を届けるのが議員の仕事」としたうえで、「知事の発言に対する今後の対応は会派の役員に預けているが、地元から問題視する声があり、それが心配だ」と話しました。
一方、議会事務局は「どのような場合に議事録を修正できるのか調査中」としたうえで、委員長と今後の対応について協議をするとしています。