福島牛の新たなブランド「福粕花(ふくはっか)」。酒粕を食べて育った福島牛で、甘味の強さが特徴です。その販路拡大を目指し、福島県内の事業者にその魅力をPRするツアーが行われました。

福粕花を食べた参加者「甘い!」

参加者が思わず舌鼓を打つ、福島牛「福粕花」。福島県がおよそ4年の歳月をかけて開発したもので、酒どころ・福島の酒粕を食べて育った新たなブランド牛です。

浦部智弘アナウンサー「甘い!口に入れた瞬間溶けた、みたいな」

この福粕花の魅力をPRし、販路拡大につなげようと、17日、食肉を扱う卸売業者を対象にした視察ツアーが行われました。

浦部アナ「県内から集められた酒粕は、手でちぎって乾燥しやすいようにします」

福粕花に欠かせない酒粕のパウダーは、郡山市の工場で作られています。酒粕は、二本松市の酒造から集めたものを再利用したこだわりのエサです。酒粕に含まれる酵母を生かすため、およそ2日間かけて乾燥させます。

TOHOピクス・馬場雄治郎さん「(酒粕を)少しでもエサにして廃棄を少なくしていければと思う」

浦部アナ「酒粕パウダーを混ぜたエサを、牛たちもおいしそうに食べています」

この天栄村の農場では、30頭以上の福粕花の候補となる牛を育てています。福粕花となる牛は、出荷前の90日間に毎日、酒粕のエサ100グラムを与えて飼育します。

池田農場・三島木寿雄さん「出荷前になると必ず食が細くなるけど、酒粕パウダーを与えることで出荷の最後までしっかり食べてくれるようになりました」

そして、生後およそ29か月で出荷され、肉質が最高ランクの「5等級」となったものだけが、福粕花として市場に出回ります。

参加した卸売事業者「脂身も甘くてすごくおいしい牛。ネットの通販をやっているので全国にネットを通して届けていきたい」

県では今後もこうした取り組みを通じて、福粕花の知名度や販路の拡大を目指すことにしています。