天皇皇后両陛下が19日、戦後80年の戦没者慰霊のため、広島を訪問されます。このあと、広島市中区にある平和公園を訪れ、原爆慰霊碑に花を供え、原爆資料館などの視察や被爆者と懇談する予定です。両陛下の広島訪問は、即位後は初めてです。

広島に向け出発される天皇皇后両陛下=羽田空港で

両陛下は羽田空港を午前10時前に特別機で出発し、広島空港(広島県三原市)に到着しました。空港では、湯崎英彦知事らが出迎えました。空港の周辺にも多くの県民が出迎え、広島市へと向かう両陛下を見送りました。

両陛下はこのあと、平和公園内に3年前に設けられた「被爆遺構展示館」を視察します。

この展示館は、平和公園一帯が、かつて人々が生活していた町だったことを、いまに伝える施設です。

中島地区と呼ばれた地域は、映画館やカフェ、旅館などが建ち並ぶ広島随一の繁華街でした。この施設では、側溝や隣家との境界を示す石材列などの町並みを現物展示しています。

かつて町だったことを知らせる説明板=平和公園

また、2019年にリニューアルが完了した原爆資料館も視察します。

原爆で犠牲になった子どもたちの遺品のほか、コンピューターグラフィックス(CG)で作った原爆投下時の映像を市街地模型に投影した「ホワイトパノラマ」などが展示されています。

視察後には、被爆者との懇談も予定されています。

広島訪問2日目となる20日には、2014年に発生した広島土砂災害の被災地を訪問する予定です。