随意契約の備蓄米がこれまで販売されていなかった「空白県」にも届いています。流通の拡大はコメの価格にどこまで変化をもたらすのでしょうか?

「孫より重く感じる」“空白県”に備蓄米が到着

喜びの声が各地から聞こえてきました。

備蓄米を買いに来た客(島根・出雲市)
「重みがあります。この前、孫を抱いたんですけど、全然こっちが重く感じます」

「随意契約」で放出された備蓄米は、10日までに全国36の都道府県で販売されていました。

焦点は“空白県”にいつ行きわたるかでしたが、12日時点で46都道府県まで販売が拡大。残すは沖縄県のみとなりました。

備蓄米を買いに来た客(鳥取・米子市)
「やっと買えました。やっと会えました。(Q.コメは高く感じる?)もち!高すぎる!」

待望の安い備蓄米を求め、開店前から行列ができた店が多い中…

こちらのドラッグストアでは、客の殺到を防ぐため事前の告知ナシで販売しました。

ドラックストアに来店した客(鳥取・米子市)
「(Q.販売初日だったみたいですが)そう、私びっくりした、いま。たまたま、他の物が欲しかったもんで。あらぁ、よかった」

東北で唯一、届いていなかった岩手県でも…

備蓄米を買いに来た客(岩手・矢巾町)
「備蓄米が出ていると言ってもすぐ簡単に手に入る状況じゃないので、並んででも買いたいと思いました」

ただ、量はまだ十分ではないようです。

備蓄米を買いに来た客(大分市)
「もうおコメないんですか」

店長
「きょう備蓄米完売しました。申し訳ございません」

小泉農水大臣は流通をさらに加速させる考えです。

小泉進次郎 農水大臣
「備蓄米を小売の店頭に並べることを加速させる環境整備は、何が的確な手なのか
 考えながら進めていきたい」

その上で…

小泉農水大臣
「一部の店舗・地域では、銘柄米の値下げも始まりつつある」

“随意契約の備蓄米”が流通したことで「銘柄米の価格が下がった」と話すのは、老舗の卸売業者です。

隅田屋商店 片山真一社長
「今までは4万5000円とか5万円してた銘柄のコメが、今3万円台の声も聞けるようになってきました」

卸売業者の間で売買する新潟県産一般コシヒカリの「スポット取引」の価格は、5月23日には玄米60キロあたり5万円でしたが…

12日、1万2000円以上値下がりし、3万7500円になりました。

備蓄米の流通に加え、早ければ来月にも新米の流通が始まることからコメの供給量が増えることが見込まれ、価格が下がっているといいます。

隅田屋商店 片山社長
「大量にお米をジャブジャブにしてもらって、市場を落ち着かせることはとても大事なことだと思う。今、落ち着かせないと新米に影響しちゃう」

さらに、小泉大臣が新たに打ち出した方針は…

小泉農水大臣
「本来であれば11月から12月くらいに入ってくる予定のMA米が9月には入ってくる」

主食用として輸入しているコメの入札を例年より3か月早め、今月末に行うと表明。

価格下落のスピードアップを図ります。