広島城天守の木造復元に向けた有識者の検討会議が開かれ、現在の広島城天守の解体方法などについて意見が交わされました。

現在の広島城天守は戦後に鉄筋コンクリートで再建されてから60年以上が経ち、耐震性の不足などが指摘されています。

12日の会議では、木造復元を前提に、現天守の解体方法と、小天守を含む天守群の復元の正確さについて広島市側が検討内容を示し、意見が交わされました。

解体に伴うクレーンなど大型車両の通行について、市は天守の東側と北側の2つのルートを提示。東側の「腰曲輪ルート」は遺構の上を通り、観光客が歩くルートと重なるなどの理由で、現時点では全ての委員から北側の「堀横断ルート」を推す意見が出ました。一方で、「堀横断ルート」は「腰曲輪ルート」よりも工費がかかるとみられていて、委員からは検討には試算が必要との意見が寄せられました。

天守群の復元については、委員から、復元の参考にする古写真や保存図についてさらなる調査を求める意見が出ました。

次回の検討会議は10月に開かれ、年度内に最終報告が行われる予定です。