全国で深刻化する保育士のなり手不足の解消につなげようという取り組みです。実際に保育の現場で仕事を体験する研修会が岡山市で行われました。
「渡部です。よろしくお願いします」
岡山市平福保育園で開かれた研修会。参加の対象は、保育士資格を持ち、市内の保育施設への就職を考えている人です。

(渡部恵さん(49))
「結婚して育児に専念したので、(保育士として)働く機会が遠のいてしまったんですけど、最近やっと子育ても少し手が離れるようになったので、挑戦してみようかなと」
(岡山市平福保育園 中尾佳子園長)
「保育士を目指す一歩となっていただけたら。たくさんの人と一緒に仕事ができたらなと思います」

背景にあるのは、保育士のなり手不足です。保育士の有効求人倍率は今年1月時点で3.78倍。ここ数年は、保育業界の働き方改革などに伴い求人が増加していて、全ての職種の平均と比べても3倍近くに上っています。

現場でも増員を求める声が上がる中、実際に保育の仕事に触れ、就業への意欲を高めてもらおうと、岡山市では毎年こうした研修会を開いています。
参加者の一人、渡部さんは2歳児のクラスで体験を行いました。絵本の読み聞かせをしたり、給食を食べる手伝いをしたり。先輩の保育士に教わりながら子どもたちとの関わり方を学びました。

(渡部恵さん(49))
「応募するまでにすごく迷ったんです。年齢もありますし。でも体験してよかったなと思いました。前向きに検討しています」
岡山市ではこうした研修会のほか、「保育」をテーマにした講演会も企画していて、今後も保育業界への就職支援に取り組んでいきたいとしています。