ことしは、太平洋戦争が終わって80年です。

アメリカ軍岩国基地(山口県岩国市)に残る旧日本海軍時代の軍用機の格納庫「掩体壕」の内部が改修され、報道関係者に公開されました。



11日、基地関係者が出席して式典がありました。

「掩体壕」は軍用機などを空襲から守るために造られたコンクリート製の格納庫です。

当時、岩国市内には6か所にあったとされますが、空襲などで破壊され、残るのは岩国基地の中のこの1か所だけです。

外壁には、空襲のときのものとみられる被害の傷痕も残っています。

旧日本海軍の零式艦上戦闘機、通称「ゼロ戦」を格納していたということです。

内部には1984年公開の映画で使われたゼロ戦のレプリカが置かれ、当時の姿が再現されています。

戦後80年がたって建物が劣化してきたこともあり、アメリカ軍が8か月かけて展示ケースを作り、内部の汚れを落としました。

貴重な戦争の遺構を残す意義について、アメリカ軍岩国基地のリチャード・ラスノック司令官は「歴史から学ぶことで悲惨な戦争を繰り返さないため」と強調しました。

アメリカ軍岩国基地 リチャード・ラスノック 司令官
「私たちの願いは、第2次世界大戦中に起こった悲惨な歴史を振り返り、二度と繰り返さないことです。私たちがもしもそちらの道に進みかねないときには、こうした歴史を学ぶことで影響を考え、自分たちを止めることができます」

リニューアルに合わせて特別に内部が公開され、基地関係者が熱心に見学していました。

アメリカ軍は、今後も「掩体壕」を保存していきたいとしています。