観光地で「死者数8割減」にするためには 

小川彩佳キャスター:
私も5月に鎌倉に行ってきて、小町通りを歩きました。けれども、軒を連ねるのは2、3階建てぐらいの小さなビルがひしめき合うように連なっていて、地下に入っていくようなお店もあります。ですから、それぞれのお店から一斉に人々が出てきたときに何が起きるかってちょっとぞっとするものがありますよね。

観光地の京都出身のトラウデンさんは、こうした鎌倉の取り組みをどうご覧になりましたか。

トラウデン直美さん:
率先避難者の取り組みは、実際避難所に向かっていく人の方に一緒に向かうと思うので、この取り組みは他の地域でも取り入れられそうだなと思いました。けれども、標識は文字数を少なくしてこちらが海、こちらが逃げる方向というのをよりシンプルに見えるような形だと、言語以外の部分でわかりやすいかなと思いますね。

どうしても観光地は人数が多く、パニックになったときに、ギュッと集まって圧迫されてしまうことも想定されていればいいなというふうに感じましたね。

小川キャスター:
群衆雪崩のようなことも起きてしまいかねないですよね。

こうしたオーバーツーリズム時代の防災は課題が多いですね。

伊沢拓史さん:
観光地だとインフラ基盤の整備が不十分だったりとか、都心から離れているところが魅力だったりもしますから、そのようなところに関しては重点的に予算を使っていかなければいけないですよね。

また、最近だと道の駅のフェーズフリー化といって、普段使える施設を災害時にも活用できる取り組みもあります。たとえば、道の駅を避難所にできたりとか、一時避難する場所として塔を建てたり等という使い方もあります。観光と災害対策の融合というのは今後テーマになってくるでしょうね。

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<プロフィール>

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行

伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中