「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」「エブリデイ・ピープル」など数々のヒット曲で知られる「スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン」を率いたアメリカのミュージシャン、スライ・ストーンさんが82歳で亡くなりました。
ロイター通信によりますと、スライ・ストーンさんの家族は10日、声明で、スライさんが闘病の末、亡くなったと明らかにしました。
1960年代のカリフォルニアでDJとして活動を始めたスライさんは、66年、「スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン」を結成、黒人音楽のファンクに、白人中心だったロックやサイケデリック音楽の要素を持ち込んで幅広い人気を集めました。
「ドント・コール・ミー・ニガー、ホワイティ」や「エブリデイ・ピープル」など、社会的・政治的メッセージを含んだ歌詞は60年代後半のアメリカ若者文化の中で支持され、1969年に開催された「ウッドストック・フェスティバル」での「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」のパフォーマンスは伝説的なものとして語り継がれています。
一方、内省的なトーンを強めた1971年のアルバム「暴動」は、狂騒の60年代を過ぎて無気力が支配し始めた70年代を表した作品などと評されました。
スライさんは薬物に依存するようになり、レコードのセールスも落ちていきましたが、過去の作品がヒップホップのトラックに頻繁にサンプリングされるなど、音楽的なレガシーは現在に至るまで続いています。
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