大学の中にオープンした「瓦」カフェを紹介します。

瓦を見て、触れて、味わえる日本文化の継承と発信の場になろうとしています。


カフェでゆったりとコーヒーやスイーツを楽しむ人たち。


利用者は:日本の雰囲気が出ていて落ち着く。


利用者は:こういう場所が欲しかった。


山梨県甲府市にある山梨学院大学内に10月オープンした「イッチ カワラ コーヒーサロン」です。


看板メニューは「瓦ラテ」


コーヒーに竹炭を加えて、まるで本物の瓦のような色合いに。


そして…趣ある店内は装飾に「瓦」を使っているのです!


一ノ瀬瓦工業 一ノ瀬靖博社長:
屋根は70年から80年くらい前。こちらの壁は100年近く経っているのではないか、相当古いもの。


カフェを経営するのは笛吹市で屋根の工事や飲食店を手掛ける一ノ瀬瓦工業の一ノ瀬靖博社長です。


日本伝統の建材=瓦の魅力を若い世代に伝えようと出店を決意しました。


一ノ瀬社長:
瓦自体の可能性ってまだまだポテンシャルがあるので、教育機関の中での空間でチャレンジできるのではと考えた。


一ノ瀬さん自身も瓦葺き職人!


世界遺産 二条城の修復に携わるなど、その腕前は一流です。

店内で使われている瓦は一ノ瀬さんが自ら県内の住宅の屋根から降ろしました。


一ノ瀬社長:
北面にあるのか南面にあるのかで、だいぶ色の雰囲気が違ってくる。


年月による変化もデザインとして表現します。


一ノ瀬社長:
SDGsからの観点からも長く使っていける素材だと理解してもらいながら新しく活躍できる場所をつくれればいい。


1400年の歴史があるという日本の瓦。しかし、近年は和風建築の減少などに伴い需要が減っているといいます。


一ノ瀬社長:
瓦を入り口として日本の建築や文化を学生同士で色々話をするような空間になってほしい。


そこでカフェのカウンターや壁の装飾に学生たちも加わり、瓦文化に触れる機会を設けました。


学生は:自分の思いも形に残せるのが瓦はいいなと思った。


留学生は:(瓦は)すごいと思う。きれいで母国にも同じものがあったらいい。


提供する商品も一工夫しています。

大人気の「瓦ラテ」に…


購入も可能なオリジナルの皿は瓦製です。


伝統にとらわれない大胆なイメージチェンジで瓦の普及を図ろうとしています。

一ノ瀬社長:
今の住宅事情にもおしゃれでクールで使える屋根材だと知ってもらう必要性がある。実際に目に触れて、手で触れることができるので、質感や雰囲気を楽しんでほしい。


さらに…

10月29日の大学の学園祭にあわせてイベントを開催。


兵庫県淡路島の瓦職人のトークショーや瓦の素材を使ったものづくり体験など、大学という立地に合わせた瓦を「学ぶ」活動も加速させています。


学生は:
生活から遠いイメージだったが、ガラッと、もっと身近に感じられるようになった。


見て、触れて、味わって…瓦カフェが伝統文化と未来をつなぐ架け橋になろうとしています。