サクランボの生産者の負担を減らし、収穫の労働力を効率的に確保しようと、きのう(5日)、運送業者と農協が全国で初めてとなる協定を結びました。
協定を締結したのはJA全農山形とヤマト運輸です。

県内では、高齢化や後継者不足によって農業関係者の労働力が減っています。
特にさくらんぼは収穫期に一度に大量の人手が必要になるため、実っていても人手が足りずに収穫できないいわゆる「収穫ロス」が起きています。

今回の協定は生産者が行う作業のうち、収穫したさくらんぼを集荷場へと運び込む作業をヤマト運輸が担うというものです。

ヤマト運輸が生産者の庭先へ直接出向く仕組みで、生産者は収穫作業に専念できるようになることが期待されます。
この仕組みは「庭先集荷」と呼ばれ、生産者は県内に15ある各地域のJAを通じて依頼することができます。

依頼を受けたドライバーは、温度管理をして新鮮な状態を保ちながら、生産者の代わりに集荷場へと届けてくれるということです。
ヤマト運輸 酒見高志 執行役員東北統括「丹精込めて作られた生産者の皆様がより一層、生産、収穫、こういったところに時間を割いていただけるというところが、我々にとっての喜びであるという認識を持っています」

JA全農山形 長谷川直秀 県本部長「生産者にはより生産、栽培、収穫、現場での働きに専念していただき、我々はそれ以外の部分をいかにフォローすることができ、結局はその生産基盤を守ることにつながるかということを常に考えて行動したい」

今年は一部の地域で有料で実施されますが、今後は県内全域に拡大し、さくらんぼだけではなく全ての品目を扱えるようにしたいとしています。