長崎県島原市の雲仙岳災害記念館では、1991年の大火砕流で亡くなった火山学者・クラフト夫妻に関する常設展が設置され、3日、夫妻の助手を務めていた男性が訪問しました。

普賢岳のふもと・長崎県島原市北上木場地区を訪れたアンドレ・ドゥメゾンさん。

火山学者・クラフト夫妻の助手を19年間つとめていた男性です。

2人が遺体で見つかった場所に花を手向けました。

クラフト夫妻の元助手 アンドレ・ドゥメゾンさん「この場所に来てとても感慨深い。モーリスとカティアは『火山がやることは何でも許すが人が犠牲になることは許されない』といつも言っていた」

フランスの火山学者・モーリス・クラフトさんは、普賢岳の火砕流が起こり始めた1991年5月末から現地に入りました。

火山の危険性を伝えるため、妻のカティアさんとともに世界中で火山を撮影。

火山のこわさを知る研究者が6月3日の大火砕流で命を落とすことになりました。

雲仙岳災害記念館では、クラフト夫妻のこれまでの功績をたたえる常設展を3月に新設。

クラフト夫妻が世界14の火山を訪れ記録した写真や映像は、約450点にのぼります。

アンドレ・ドゥメゾンさん「クラフト夫妻が撮影した写真、そして2人がその場所にいる姿を拝見できたことは、私にとっても、とても光栄なことです」

雲仙岳災害記念館 杉本 伸一 館長「火山のリスクを伝えるために撮られた写真によって、よりこの記念館でも火山について皆さんに実感してもらえる、学んでもらえるものにしたい」

常設展では、今後、写真や映像を定期的に入れ替え、火山災害のリスクとクラフト夫妻の功績を伝え続けるとしています。