SNSの投稿でトランスジェンダーだと明かされたのは名誉毀損にあたるとして、芥川賞作家の李琴峰さんがきょう、甲府市の市議会議員に賠償などを求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、2021年に「彼岸花が咲く島」で芥川賞を受賞した李琴峰さんです。

李さん側によりますと、去年5月、甲府市の村松裕美市議会議員がSNSに「体が男性で手術もしていない」などと投稿。警察が村松市議に注意し、投稿は削除されましたが、その後、村松市議は新たに、李さんの過去の写真や名前などをSNSに投稿したということです。

李さんは当時、トランスジェンダーであることを公表しておらず、投稿によってトランスジェンダーだと明かされプライバシー権などが侵害されたとして、投稿の削除やおよそ500万円の賠償を求めています。

提訴後の記者会見で李さんは「突然、平穏な日常を奪われて、生活に多大な影響を与えられた」「同じような被害が少しでも減るように行動したい。それが日本のLGBTQ+の人たちの基本的人権を守ることに繋がる」と話しました。

一方、村松市議は訴えについて、「最初の投稿については警察からの指摘を受けて、すでに削除しており、その後の投稿についても適切に対応した。訴状が届いてから名誉毀損に当たるのかどうかを弁護士と相談したい」とコメントしています。