山口市出身の詩人「中原中也」のトレードマークといえば、帽子を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。市内の和菓子店が帽子をモチーフにした和菓子を作り、生産が間に合わないほど大人気となっています。

たくさんの中也ファンに届けようと、新しい帽子の菓子も売り出されました。丸い形がかわいらしい練り切りの「中也の帽子」です。チョコレート風味でリボンなどの細工が施されています。

山口市で和文化を体験できる和菓子店、「LAWAKU(らわく)」で作られています。中也の大ファンという代表の酒向淳子さんが4年前に考案しました。

LAWAKU 酒向淳子代表
「中也の何か和菓子ができないかという相談を受けて、中也といったら帽子でしょっていう」

これまで「中原中也記念館」や観光回遊拠点施設「狐の足あと」でのイベントに合わせて販売していました。これまでも人気でしたが先月、これまでにない光景が広がったと言います。

LAWAKU 酒向淳子代表
「店の前を普通に出勤したらお客さんが待っていた。あら、と思ったら『帽子ないですか?』って」

きっかけとなったのが人気漫画「文豪ストレイドッグス」と中原中也記念館がコラボしたイベントです。今回で3回目で記念館でのパネル展示などが行われていて、全国各地からファンが訪れます。LAWAKUはイベントに合わせ「中也の帽子」を販売していて、これまでにない反響があったといいます。

LAWAKU 酒向淳子代表
「なかなか生菓子は難しいということで、琥珀糖というのをそれから作りました」

寒天とあんこでつくる琥珀糖の「中也の帽子」。粘り気などを工夫しながら、2日ほどで完成させました。素材にこだわり、外側と内側の食感の違いを楽しめます。きょうは、東京と埼玉から来た中也ファンが買い求めていました。

LAWAKU 酒向淳子代表
「山口のよさって中也だけでなくいろいろあると思うので、それもまた発見してもらえるいいきっかけになるのではないかと思います」

「中也の帽子」はイベントの有無に関わらず店で買うことができます。