主食のコメの価格が高止まりする中、酒米も価格高騰が懸念されています。

先週末、愛媛県久万高原町で行われた田植えの体験イベント。参加した親子連れが植えているのは酒米の苗です。

主食のコメ不足が続く中、今、懸念されているのが酒米の価格高騰です。

JA全農えひめによりますと去年、県内で生産された酒米の集荷量は前の年から2割ほど減少しおよそ530トン。

多くの農家が主食のコメの生産に注力していることなどから酒米の量は減少、価格も上昇傾向だといいます。

今年で創業130年を迎える愛媛県松山市の水口酒造。華やかな香りと甘い口あたりが人気の「仁喜多津シリーズ」など年間およそ4万8000リットルの酒を醸造していて、使用する酒米の量は30トンほどです。

(水口酒造・水口皓介社長)
「(価格は)酒米も上がってくると私たちも覚悟している」

今年の秋に収穫される酒米の販売価格の見通しは立っていませんが、去年よりも高値となることは避けられない見込みです。この会社では農家と連携して酒米づくりを行っていて、今後、価格の安定化にも繋げたい考えです。

(水口酒造・水口皓介社長)
「痛いところではあるが、お客さまにいい酒を提供していくことに注力したいと思っている」

水口社長によりますと日本酒は価格に転嫁しづらいといいます。こうした中、小泉農林水産大臣は4日、政府備蓄米の一部を日本酒などの加工用として放出することを検討していると明らかにしました。

さらに県は、県酒造組合と連携して今月から愛媛の地酒をPRするキャンペーンを始めるなど、各所で酒蔵の支援に向けた動きが見られます。