広島県呉市は、マダニを媒介とする「日本紅斑熱」で、市内の女性が死亡したと発表しました。マダニによる感染症での死者が確認されたのは、ことし広島県内で初めてです。
呉市によりますと、亡くなったのは70代の女性で、24日に救急搬送されましたが、その日に死亡したということです。女性は亡くなる1週間ほど前から発熱などの症状がみられていたということです。
▼日本紅斑熱とは
ヒトからヒトへの感染はなく、リケッチアと呼ばれる病原体を保有するマダニに咬まれたあと、2~8日の潜伏期間を経て、頭痛や悪寒を伴う急激な高熱(38~40℃)が出た後、やや遅れて全身に米粒大から小豆大の紅斑が出現する病気です。発疹部にかゆみや痛みが無いのが特徴だということです。
▼感染予防対策について
呉市によりますと、マダニに咬まれないよう、次の対策が重要だということです。
・ 屋外活動時は長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、皮膚の露出を少なくする。
・ 屋外活動後は、体や服をはたき、マダニに咬まれていないか確認する。
・ 吸血中のマダニに気がついた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿するなどの恐れがあるため、医療機関(皮膚科など)で処置をしてもらう。
・ マダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、直ちに医療機関を受診する。