地域で防犯パトロールを行う、いわゆる「青パト」を、車検切れのまま使っていたとして、熊本県玉名市が、管理していた職員4人を懲戒処分としました。

戒告の懲戒処分を受けたのは、教育部と総務部に所属する課長と課長補佐の合わせて4人です。

玉名市では公用車として、地域の防犯パトロールなどに5台の「青パト」を使っていました。

しかしこのうち軽貨物車タイプの1台について、車検が切れた状態で2024年9月から10月にかけて市民10人に運転させていました。

処分を受けた4人は、車を管理する立場でしたが、車検の確認を怠っていました。

玉名市が使用している車検切れ以外の「青パト」4台のうち2台

2024年11月、国土交通省から車検期間の確認を求める通知が市役所に届き、車検切れが発覚しました。今回の車は2008年7月から使われ、主に岱明地区のPTAや玉名市青少年センターの誘導員などが、子どもの下校時の見守り活動や地域の防犯パトロールのために使用していました。

車検が切れた後も348kmを走行しましたが、事故や車の異常はなかったとのことです。市は発覚後、熊本県警玉名警察署に車検切れについて届け出て、警察が車検切れ期間に運転した市民に事情聴取をしましたが、警察からは「行政処分はない」と口頭で伝えられました。

蔵原隆浩(くらはら・たかひろ)市長は29日の定例記者会見で「関わった市民の皆さんに無用の心労を強いてしまったことは心苦しく、また大変申し訳なく思っている」と述べました。

市は今回の責任を取り、6月の定例議会で蔵原市長と福島和義教育長の給与を1か月間、10分の1減額する議案を提出する方針です。