熊本市中心部の渋滞解消が目的の「熊本西環状道路」ですが、現在は国道3号の北部中学校の近くに接続する下硯川インターから花園インターまで開通しています。

そして2025年秋には花園インターから池上・熊本駅インターの区間が、開通します。そうなると、下硯川インターから熊本駅まで15分ほどで行けるようになるということです。

熊本市西区花園です。

整備を進める熊本市の担当者とともに、まだ開通していない区間へと入ります。まずは長さ約1.5キロの花園トンネルの中へ。片側1車線、高さは約6メートルあります。案内してくれたのは西環状道路の整備に関わって9年、熊本市道路整備課の木嶋政智(きじままさとも)さんです。

――見どころ、特徴は?
熊本市道路整備課 木嶋政智さん「このトンネルがLED照明を使っているので、従来のトンネルより明るく見える」
記者「特徴的なのが路面で、コンクリートで舗装されているため白っぽいんです。そしてザラザラしていて滑りにくいようにしています」
このトンネルを含めた新しい区間は4.6キロ。約480億円をかけて整備されています。開通すると熊本市北区の北部中学校などが近くにある下硯川インターから熊本駅まで15分ほどで行けるようになると言います。

熊本市 西環状道路推進室長 中島郷次さん「熊本駅までほとんど信号がなくノンストップで行ける。国道3号を通るより30分の時間短縮が見込まれる」
自動車専用道路の西環状道路は通行料金かからず
移動時間がよみやすくなるメリットも

2本のトンネルを抜けやってきたのが長さ508メートルの谷尾崎高架橋です。高いところでは地上から48.5メートルあります。運転する人はよそ見できませんが、ここからは熊本城も見ることができます。橋を支える柱は太いもので直径11メートル。この一帯は地盤が柔らかく地中には最大で28メートルほど柱を埋めています。

これは2年前の写真です。この状態から急ピッチで工事が進められ道路部分の整備が完了しました。

最後にやってきたのは、池上・熊本駅インター周辺です。ここでは路面の舗装が進められていました。7年前は山だった場所を切り開いて整備されています。
熊本市道路整備課 木嶋政智さん「元々は岩盤の部分だったんですけど、その上にコンクリートを打ってその上に舗装をかける。ここは舗装をかけているところ、こっちはかける前、ビフォーアフターです」
平らにされる前のアスファルトの温度は150℃ほどあり、現場は熱気に包まれていました。いよいよ今秋に迫った開通。工事に関わって9年となる木嶋さんに西環状道路への思いを聞きました。

熊本市道路整備課 木嶋政智さん「我が子の成長を見守るような感じ。いろんな人に使ってもらって喜ばれるような存在になってくれたら」
工事の進捗率は99%で、これから路面に白線を引くなどの作業が進められる予定です。

将来的には西環状道路の下硯川インターから中九州横断道路につながって、九州自動車道にも直接入れるようになります。その区間は事業化されていて工事に向けた調査が始まります。ただ、開通時期は決まっておらずかなり先の話となります。