国連の救済機関トップが指摘 ガザでの配給「強制移住の手段」

UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関) ラザリーニ事務局長
「きのう目にしたのは本当にひどく混乱し、人間としての尊厳すら踏みにじられるような光景でした。人々は炎天下に何時間も並んだ末に、食料が足りないと思い知ることになったのです」

ラザリーニ事務局長が指摘したのは、配給がガザとエジプトの境界にある街「ラファ」で行われたという点です。

ラザリーニ事務局長
「(南北に広がるガザで)『配給拠点』が南部のみにあるということは、北部や中部の人々を南に移動させようとしているわけです。つまり、それは強制移住の手段ということです」
「先週あるイスラエル当局者が『この軍事作戦の目的はガザの全住民を南部に移動させることだ』と発言しました。これ(ガザ人同財団の援助)はまさに、その目的に沿った形で人々を強制的に移住させる仕組みになっているのです」
今のガザでは、連日多くの命が奪われています。

【ガザでの死者】
25日:38人
26日:79人
27日:28人
(パレスチナ保健当局発表)

23ジャーナリスト 須賀川拓さん
「あまりにも単純な質問なのですが、なぜ私たちあるいは世界はイスラエルを止められないのでしょうか?」

ラザリーニ事務局長
「各国が自分たちの持つ影響力を本気で使おうとしていないからだと思います。いくつかの影響力がある国なら使える手段はあるはず。でも誰も使っていません」
「友好国にとって、一線を越えたイスラエルを組織的に封じるメリットはあるはずです。これはイスラエル自身にとってもです」