様々な分野で功績があった人をたたえる秋の褒章の受章者が発表されました。宮城県からは、13人が受章しました。

仙台市の和服仕立て職人、澁谷みよ子さん(85)。今回、黄綬褒章に選ばれました。


澁谷みよ子さん:
「うれしかったです。努力が実ったかなという感じでした」


今も、現役の職人として仕事を請け負う傍ら、月に2回、仙台市泉区の市民センターで和服の裁縫=和裁を教えています。


澁谷みよ子さん:
「出来上がった時の手作りの温かさ。そういうのが感じられて楽しいなと」


石巻市出身の澁谷さんは10代後半で和裁を始めました。以来60年以上にわたって職人として研鑽を積み、後進の育成にも力を注いできました。

その豊富な経験と知識、技能が評価され、去年「現代の名工」にも選ばれています。


澁谷みよ子さん:
「座って楽そうなんだけど、忍耐が必要。好きこそ物の上手なれ。好きじゃないとできないと思う」


しかし今、寂しさを感じていることもあると言います。

澁谷みよ子さん:
「和服の需要がなくなっている。前は本当に仕事がいっぱいあったんですよ。私が若いときは子育てしながら、午前0時前には寝たことないです」


それでも日本の伝統文化を絶やすまいと、これからも和裁の魅力を伝え続けます。

澁谷みよ子さん:
「死ぬまで仕立てはしていきたいと思っています」