インドネシアを訪問している中国の李強首相がプラボウォ大統領と会談し、経済分野での協力を強化する方針で一致しました。アメリカと中国の貿易摩擦が続くなか、中国は東南アジアとの関係を強化する姿勢を鮮明にしています。

中国の外務省は、24日から26日にかけて李強首相がインドネシアを訪問し、25日、プラボウォ大統領と会談したと発表しました。

会談で李首相は「世界では保護主義が台頭し、国際経済や貿易の秩序に打撃を与えている」と指摘。「リスクや挑戦に直面するなか、団結と協力こそが正しい道である」とアメリカを念頭に連携して対応していく必要性を強調しました。

これに対して、プラボウォ大統領は「中国企業によるインドネシアでの投資や事業展開を歓迎する」と両国の経済協力を強化する考えを示しました。

李首相のインドネシア滞在中、両国の経済や金融などの分野における協力文書の署名式も行われたということです。

アメリカと中国の貿易摩擦が続くなか、4月の中国からASEAN=東南アジア諸国連合への輸出額はプラス20.8パーセント、なかでもインドネシアへの輸出額はプラス36.8パーセントと大幅に伸びています。

先月には、中国の習近平国家主席がベトナム、マレーシア、カンボジアを訪問していて、中国としては主要な貿易相手である東南アジア各国との経済協力を深めるとともに、アメリカと対抗する軸を打ち出していきたい思惑があります。