26日まで3日間、勇壮な時代絵巻を繰り広げた相馬野馬追。今年から女性の出場条件が撤廃され、1000年以上の歴史がある祭りに新たな風が吹き込まれました。
平安時代から1000年以上続くとされる、相馬野馬追。詰めかけた観客は、戦国絵巻さながらの3日間を堪能しました。
今年、伝統の祭りに変化が。それは女性の出場制限です。これまで「20歳未満の未婚」とされてきた条件が撤廃。去年よりも9人多い40人の女性が祭りに参加しました。
武田優実子さん(24)「20歳までだったが、年齢解除になって出られるとなってとってもうれしかった」
今年、20歳以上の女性は8人が参加。そのうちの1人、南相馬市小高区の武田優実子さん(24)です。新型コロナの影響で2020年と21年に祭りの規模が縮小したことを受け、3年前、特例で出場。今回、制限がなくなったことで再び参加を決意しました。
武田さん「(母に手綱を)持ってもらい、一緒に横を歩いてもらいながら出たんですけど、それが1人で出たいという思いがあってもう1回出てみようかなと」
迎えた25日の本祭り。手綱を握る武田さんの手からは緊張感が伝わってきました。3年ぶりに野馬追の舞台で名前を呼ばれた武田さん。行列が目指す雲雀ヶ原祭場地までのおよそ3キロを、今回は堂々と1人で乗りこなしました。
武田さん「目標通り達成しました。お母さんがいないことで不安も大きかったんですけど、馬が良く乗せてくれたので良かったです」
会場で行われた祭りの呼び物「神旗争奪戦」。空高く打ち上げられた御神旗をおよそ200人の騎馬武者たちが合戦さながらに奪い合います。

打ち上げられたご神旗は、16発。男性たちに囲まれながら、20歳以上の女性が御神旗を獲得する場面もありました。武田さんは今回、神旗争奪戦には参加しませんでしたが、すでに来年への決意を新たにしています。
武田さん「ちゃんと乗れるようになってもう1回挑みたい、野馬追に」
今年も熱狂の中、幕を閉じた相馬野馬追。時代とともに変化をしながら新たな伝統をつないでいきます。
相馬野馬追執行委員会によりますと、25日は、沿道と会場に合わせておよそ7万3000人の観客が訪れたということです。去年から暑さ対策で開催を5月に変更し、今年は女性の参加条件を撤廃するなど、相馬野馬追は変化をしながら次の1000年に向けて走り出しています。
