米の価格を落ち着かせるための備蓄米について、政府は5月28日からの入札を中止して、随意契約、業者を選んでの取引で売り渡す方針を示しました。熊本の小売、生産の現場にどう影響するのでしょうか?
昨夜、小泉農林水産大臣は

小泉進次郎 農林水産大臣「今までの入札方法を抜本的に変え、随意契約という形でしっかりと米の価格が下がる方向に向けた第一歩を示したい」

これまで、備蓄米は、最も高い価格を示した業者が落札する「一般競争入札」で売り渡されていました。今回の「随意契約」は特定の取引先を売主側が選ぶため、比較的安く取引される見込みです。

また、小売業者なども直接取引が可能で、早く消費者が口にできる、と言われています。

随意契約で米の価格は落ち着く方向に進むのか?農業に詳しい熊本大学の山下教授に聞きました。
熊本大学 山下裕作教授「これは、随意契約しか手がないんじゃないかと思う。より即効性を出すなら、直接小売りを担当している量販店などを随意契約の相手にする可能性がある」
一方、山下教授は、備蓄米が流通するとともに価格が高い状態を期待して生産量が極端に増えることで、一気に値崩れの方向に進むことを懸念しています。
熊本大学 山下裕作教授「お腹を満たして米が余るといらなくなる、そうなると値段がガンと下がる。生産コストを賄えないレベルまで下がるとこれ以上作らないし、売らない状況になりかねない。そうなったら消費者、国民が困る」

熊本県内のある小売店は「取引がある卸業者が備蓄米を扱っていないため販売できなかった。随意契約で販売できるようになり価格が安くなると有難い」と話していました。

一方で、米は価格が上下しやすい性質があります。多くの日本人にとって生きていく上で欠かせないもので、足りないと価格が急上昇する、しかし生産量が増え人々のお腹が満たされると一気に価格が下がる。熊本大学の山下教授は将来的に値崩れすることを懸念していました