フランスで開催されている「カンヌ国際映画祭」。日本人監督の映画が最高賞を競う部門に出品され、期待が高まっています。

13日から始まったカンヌ国際映画祭。初日にはロバート・デ・ニーロさんが映画界への貢献が称えられ、「名誉パルムドール」を受賞しました。しかし、そのスピーチで語ったのは怒りでした。

ロバート・デ・ニーロさん
「創造性に値段はつけられないが、関税はかけられるようだ。これは受け入れられない」

今月、トランプ大統領が「アメリカに輸入される全ての映画に100%の関税を課すことを検討する」と表明したことに、猛反発したのです。

開幕前の表明に会場では…

記者
「映画のプロモーションなどが行われているエリアですが、こちらでもトランプ関税を懸念する声が聞かれました」

インドの映画プロモーター
「アメリカはもちろん、全世界の映画産業にとって最大の市場だから、関税は多くのことを変えてしまう」

ドイツの映画プロモーター
「いずれ、ハリウッドが他の国と共同製作するのは難しくなるでしょう」

一方、今年は日本映画7年ぶりの最高賞「パルムドール」の獲得に期待が高まっています。

早川千絵監督の「ルノワール」。1980年代を舞台に、11歳の少女が父親の死と向き合うなかで、欲望うごめく大人の世界に触れ、楽しさや悲しみ、恐怖などを感じながら成長していく物語です。

主演の鈴木唯さん(12)は。

鈴木唯さん
「レッドカーペットを歩いた時に歓声がすごくて、もう思いっきりニコニコで、はちきれんばかりの気持ちで歩きました」

3年前に自身の作品が「ある視点」部門で特別表彰を受けた早川監督は。

早川千絵 監督
「この映画をみた人が自分の子どものころをふと思い出したり、忘れていた記憶がふとよみがえるような映画体験になってほしい」

授賞式は24日に行われます。