「省エネルック」と「クールビズ」何が違った?

ほとんど社会に受け入れられなかった「省エネルック」と徐々に定着していった「クールビズ」。その違いはなんだったのでしょうか。

省エネルックが発表された年、デパートでは半袖スーツ発表会も開催されるなど、政府があの手この手でPRするも残念ながらまったく普及しませんでした。

当時のサラリーマンへのインタビューでは「ファッション性に欠ける」「上司や取引先がネクタイをしているのに、自分だけ軽装でいるわけにはいかない」などの意見が聞かれました。

一方でクールビズは、今年で20周年を迎えます。「ノーネクタイ・ノージャケット」という簡略化されたスタイルから、涼しく効率的でありながら個性を活かしたおしゃれも楽しめる夏の新しいビジネススタイルへと認識が変化しました。

政府主導で推進された省エネルックは「着たくない服を、国に言われて着る」というイメージが先行したのもあり、国民の間に浸透するには至りませんでした。

一方、地球温暖化対策という目的を持ちながらも、企業文化や働き方の多様性、個人の自主性を尊重するクールビズは社会に広く受け入れられました。
この違いの背景には、トップダウンで画一的な省エネルックに対し、クールビズが社会のニーズや時代の変化に柔軟に対応してきた点があげられそうです。