“随意契約”で何が変わる? メリット・デメリットは

藤森祥平キャスター:
今度こそ新大臣のもと、コメの価格が下がるのか、そしてどうやって下げるのか。

石破総理から小泉新農水大臣に対して、新たにこのような指示があったそうです。

「随意契約を活用した備蓄米の売り渡しを検討すること」

これまでの備蓄米というのは、複数の業者によって「競争入札」で価格が決まっていました。一方で「随意契約」とは、競争入札をしないで特定の業者と契約を結んでいく形です。これは例外的な措置を取るという手段ですね。

価格は下がっていくメリットがありますが、デメリットとして、どんな業者と契約を結ぶのか、不透明な部分が挙げられます。

小川彩佳キャスター:
この随意契約でコメの価格は下がっていくのか、どう見ますか。

藻谷浩介さん:
どうも、何か重要なことを言わずに話している感じがします。

裏にあることを好意的に推測すると、従来は農協に行ってそこから彼らが備蓄米をもらって卸売りに行って、小売りに行って、というやり方をしていた。

このように間を挟むのをやめて、直接大手の小売事業者や卸売に売るぞと。そのときに『これぐらいの値段で売ってくれ』という約束をして、早く市場に出せという契約にしようとしてるのかなと思います。

小川キャスター:
農協に忖度しない、という言葉がありましたよね。

藻谷浩介さん:
迅速に安く店頭に並ばないと意味がないので。大手の小売業者に直接売ったらどうか、という声にこたえるんでしょうかね。

トラウデン直美さん:
しかし随意契約になると、欲しかったけど手に入らないという業者も出てくるわけじゃないですか。すごくアンバランスな感じがする。

藻谷浩介さん:
大手や特定の小売業者が安く売る約束で(備蓄米を)買った場合、逆に小さい中小の小売店が困るんじゃないかという話が出てきますが、ある程度配慮して、特定の業者に偏らずに、卸売業者をきちんと活用することも含めて、買ったら1ヶ月以内には店頭に並べる契約をするとか、そういうことが必要だと思うんですね。

小川キャスター:
コメの価格が下がるかどうかに加えて、これまでどういった問題が起きていたのか、どこに目詰まりがあったのかということをつまびらかにして、説明をしていただくというのも新大臣に求められることですよね。

藻谷浩介さん:
私は彼はなかなかよく勉強する人だと思っていますので、頑張ってほしいと思います。

========
<プロフィール>
藻谷浩介 さん
(株)日本総研 主席研究員
NYコロンビア大学ビジネススクール卒業

トラウデン直美さん
環境問題やSDGsについて積極的に発信
趣味は乗馬・園芸・旅行